WEP誤適用の事例

WEP誤適用の事例

WEP誤適用を実際に受けるとどの様な減額を受けるのかここで具体的な事例で説明します。インフレ調整後の平均月収が$2,500の方で条件が異なる場合の減額金額を例示いたします。

減額の最大金額は毎年変更されます。以下は2022年の最大減額金額の512ドルを基準に計算いたします。

ケース1. 日本の年金月額$900(内訳 厚生年金$300国民年金$600)

(1) Substantial Earningsが20年以下の場合

月収$1,024以上ですから第1の原則で$512の減額です。Substantial Earningsによる減額率の緩和はありません。

第2の原則により、厚生年金$300の半分の$150が$512より低い額ですので減額は$150となります。これがWEPの規定にもとづく本来の減額額です。しかしながらWEP誤適用により国民年金も含めた$900の半分の$450の減額となります。この結果、誤適用により$300(=$450-$150)の負担増となります。

(2) Substantial Earningsが25年の場合

第1の原則で$512の減額です。SEによる還元率は40%が65%となり$512は$256と緩和されます。

第2の原則により、厚生年金$300の半分の$150が$256より低い額ですので減額は$150となります。これがWEPの規定にもとづく本来の減額額です。しかしながらWEP誤適用により国民年金も含めた$900の半分の$450の減額となりますが、第3の原則による$256の方が低い金額ですから$256が減額となります。その結果、誤適用により$106(=$256-$150)の負担増となります。

(3) Substantial Earningsが30年以上の場合

Substantial Earningsが30年以上の場合第1の原則の計算式で$1,024に掛けられる還元率への減額は発生しません。よって誤適用による負担増は発生しません。

ケース2. 国民年金月額$600

(1) Substantial Earningsが20年以下の場合

第1の原則で$512の減額です。SEによる還元率(減額率)の緩和はありません。

一方、本来国民年金はWEPの適用外であるのですが、誤適用により第2の原則に基づき、国民年金$600の半分の$300が$512より低い額ですので減額は$300となります。誤適用により$300の負担増となります。

(2) Substantial Earningsが25年の場合

第1の原則で$512の減額です。SEによる還元率は40%が65%となり$512は$256と緩和されます。

一方、本来国民年金はWEPの適用外であるのですが、誤適用により第2の原則に基づき、国民年金$600の半分の$300が減額となる所ですが、$300よりも$256が低額のため減額は$256となります。ですからこのケースの場合は誤適用による負担増は結果的に発生しません。

(3) Substantial Earningsが30年以上の場合

Substantial Earningsが30年以上の場合第1の原則の計算式で$1,024に掛けられる還元率への減額は発生しません。よって誤適用による負担増は発生しません。

WEP誤適用とは

WEPとは

WEP誤適用よる年金減額問題について詳しい解説をしています。